5Gスマホ、ついに登場  『Galaxy S10 5G』ベライゾン向けに投入

米国サンフランシスコで開催されたGalaxy Unpackedより。サムスンが「Galaxy S10」シリーズの最上位モデル「Galaxy S10 5G」を発表しました。 第5世代移動通信の「5G」に対応し、画面サイズも他の3モデルより大きい6.7インチ。会場には米国の携帯最大手ベライゾンのCEO、Hans Vestberg氏(写真=下)も登壇し『この5Gスマートフォンを市場に投入することを非常に興奮しています』と述べました。 「Galaxy S10 5G」は、クアルコムの最新SoC Snapdragon 855を搭載したスマートフォンです。5GモデムのSnapdragon X50を組み合わせることで、ミリ波帯を含む5Gに対応しています。 また、Galaxy S10シリーズの最上位モデルという扱いで、カメラは「S10+」が広角・標準・望遠の3眼なのに対し、本モデルは深度計測用のレンズを追加した4眼構成。ディスプレイサイズも大きいほか、バッテリー容量もS10+の4100mAhに比べて多い4500mAhとなります。RAMは8GBを採用します。 なお、米国の5Gは日本より1年進んでおり、今年上半期中には商用5Gサービスが開始予定。ベライゾンは従来からサムスン製の5Gスマートフォンを発売すると宣言していましたが、今回その端末が「Galaxy S10 5G」だと判明した形です。「Galaxy S10 5G」はまずベライゾンへ2019年上半期に投入され、その後AT&Tなどにも投入されます。 日本での5Gは2020年まで待つ必要 4G(第4世代移動通信)の次にあたる5Gは、最大で十数Gbpsに達する「超大容量」、数msレベルの「低遅延」、あらゆるモノをインターネットに繋ぐ「超多接続」が売り。自動運転や建設現場の自動化、遠隔医療、AIなど、産業分野でのイノベーションの促進も期待されています。 一方で、障害物に影響されやすいミリ波帯(24GHz以上)の電波を利用することから、当初のエリアは限定的。5Gで業界をリードするクアルコムは、人口の集中する都心部をミリ波帯で、その周辺部を6GHz以下のSub-6帯でカバー。郊外では5Gではなく、1Gbps超え4Gの「Gigabit-LTE」でカバーする、5Gと4Gを組み合わせた3層構造のエリア化を提唱しています。 なお、前述の通り米国より1年遅れの日本では、現時点で周波数の割当も決まっていない状況。総務省は4月10日に5Gの周波数を割り当て予定で、それを受けた各携帯キャリアは9月に試験サービスを開始。商用サービスの開始は2020年春を予定しています。 なお当初の5Gスマートフォンについては、4Gスマートフォンの出始めと同様に、エリアやバッテリーの持ちを懸念する声もあります。 Verizon owns Engadget's parent company, Verizon Media. Rest assured, Verizon has no control over our coverage. Engadget remains editorially independent.

楽天『完全クラウド』LTE網のテスト施設を公開「商用ネットワークのコピーをここに置く」

楽天は、10月にサービスを開始する携帯電話事業の試験設備を公開しました。「楽天クラウドイノベーションラボ」と名付けられたこの施設では、携帯電話サービスの根幹部分を再現し、動作を検証できます。 本題に入る前に、携帯電話がどのような通信をしてインターネットに繋がっているかをざっくりと説明しましょう。スマートフォンから無線で送られたデータは、基地局のアンテナに届き、「コアネットワーク」という携帯電話事業者の設備群を通ります。そこには、通信を制御する機器や、外部のインターネットと接続する関門に当たる機器などが配備されており、さまざまな役割を果たす装置が連携して、携帯電話事業者の設備からインターネットへの橋渡しを行っています。 コアネットワークの設備の多くは、特製の機器で高度にカスタマイズされたソフトウェアが動作しており、一般的なコンピューター(汎用のサーバー機器)とは構造が異なります。それぞれの設備を提供しているベンダー(メーカー)は複数ありますが、ベンダーが異なる機器が混在する環境での互換性が担保されているわけではありません。 一方で、近年ではコンピューターの性能が大きく向上し、汎用サーバー機器で特殊な設備の機能を再現する、仮想化技術の開発が進んでいます。携帯電話キャリアや設備ベンダー各社も、コアネットワークの各設備の仮想化に取り組んでいます。 楽天の携帯電話網が新しいのは、コアネットワークを「すべて仮想化された設備」で構成したこと。つまり、それぞれの機器が持つ機能をソフトウェア上で再現し、汎用のサーバー上で動作させています。 これにより、携帯電話網に新しい機能を追加する場合は、機器の置き換えが必要なく、ソフトウェアの更新で対応できます。また、新しい機器を組み込む場合に必要な検証作業も、試験環境でソフトウェアを差し替えるだけで済みます。 楽天ではサービス当初は4G LTEで通信サービスを提供しますが、ネットワーク自体はいよいよ商用化が始まる次世代のモバイル通信技術「5G」への対応する前提で設計されています。つまり、他キャリアが保有する通常の設備ではコアネットワーク側の機器の置き換えが必要となりますが、楽天の設備ではそれがありません。アンテナ部分を追加し、コアネットワーク側のソフトウェアを更新するだけで、5Gに対応できるという"後発メリット"があるとしています。 関連記事: 楽天、第4の携帯キャリアで新技術「ソフト更新で5Gに対応できる」 ▲このサーバー群が携帯電話のコアネットワークの設備 その"コアネットワークの試験環境"というのが、今回公開された「楽天クラウドイノベーションラボ」です。楽天モバイルネットワーク CTOのタレック・アミン氏は「ここに商用ネットワークの完全なコピーを置いた。完全自動化した環境で新機能のテストができる」と説明します。 前述した通り、楽天のコアネットワークは仮想化されているため、ハードウェアに依存する機能がありません。商用ネットワークの"コピー"が置かれているため、異なるベンダーが開発した機能を組み合わせた検証も迅速に行うことができます。また、たとえば設備ベンダーの開発者が海外の拠点からリモートアクセスして、新機能を試すといったこともできるとしています。 アミン氏は「NetflixのようなITカンパニーは、ユーザーに動画サービスを提供する裏側で、毎日数千回ものアップデートを行っている。なぜ、携帯電話事業者にそれができないのか」と語り、楽天のネットワークでは迅速にサービスを開発し、検証できるとアピールします。 ▲楽天モバイルネットワーク CTOのタレック・アミン氏 ▲携帯電話基地局のアンテナ部分を検証する装置。実際の電波は発信しないシミュレーション用です ▲実機でのテスト環境。携帯電話の実機20台が収められたボックスがあり、基地局と有線で繋がっています。このほか、1万台以上の携帯電話のシミュレーションし、基地局の性能を検証する機器も用意されています ▲「楽天クラウドイノベーションラボ」のテストツールの画面、モジュール化された新機能を追加して動作を検証できます。 楽天の三木谷社長は、「楽天がIT企業として誕生した22年前、サーバー1台は7億~8億円もした。それが今は20万円のパソコンで当時のサーバー以上の処理能力を持っている。IT業界にはそれぐらい大きな変化が起きている」と語り、IT企業の発想を持ち込んで「通信業界のディストラプター(破壊者)になる」と宣言しました。 そして三木谷氏は、「今のモバイルネットワークはコモディティ化しており、通信事業者はコンテンツや付加価値を提供して競い合う状況になっている」と分析。新規参入する楽天のネットワークについて「たとえばコンテンツ配信や子どもの利用に関する仕組みなどを素早く機能追加できる。今までの通信事業者とは全く違うサービスだと思ってもらった方が良いと思う」と語りました。 ▲楽天の三木谷浩史会長兼社長