「au HOME」サービス拡充で魅力増、ネックは月額料金:週刊モバイル通信 石野純也

KDDIが、au HOMEに関する発表会を開催。同サービスを、auひかり以外のauユーザーに広げることを発表しました。また、サービス開始時から告知されていたように、au HOMEはGoogle Homeに対応。スマホだけでなく、スマートスピーカーからも利用できるようになります。 au HOMEが対象ユーザーを大きく広げる 7月にサービスインしたau HOMEでしたが、この段階ではあくまでauひかりのユーザーが対象で、利用できる人が限られていました。実際、ユーザー数も「それほど多くなかった」(ホーム・IoTサービス企画部部長 渡辺和幸氏)といいます。一方で、これはあくまで実験的に始めたという意味合いが強かったようです。渡辺氏は「7月よりも、11月が大きなタイミングだと思っていた」と語ります。 GoogleやAmazonから続々とスマートスピーカー登場し、サードパーティがそのプラットフォームを利用できるようになったことで、「(家庭向けIoTの)流れが変わるのではないか」とにらんでいたといいます。むしろ、ここからがau HOMEにとって、"真のサービスイン"といえるかもしれません。 ▲auひかり以外の回線でも利用可能になる 元々、au HOMEはauひかり用のホームゲートウェイにドングルを挿し、スマホ側にはアプリをインストールすることで、利用できていました。対応するセンサーの中にはZ-Wave方式でつながるものが多いためです。ただ、これだと、auひかりのユーザーしか対応ができません。そこで必要になってくるのが、新たに発売される「無線通信アダプタ(A)」。 ▲「無線通信アダプタ(A)」で、IoTデバイスがWi-Fiルーターにつながる仕組み 仕組みとしては、これがZ-WaveでセンサーなどのIoT機器とつながり、Wi-Fiでルーターとデータをやり取りするという形になります。スマホ側は通常通り、Wi-Fiでルーターに接続すればOK。無線通信アダプタがZ-WaveとWi-Fiを中継してくれる考えれば、理解しやすいでしょう。 家にWi-Fi環境がない場合に利用できるのが、発売済みの「Qua Station」。Qua Station、LTE対応のNASとして話題を集めた商品ですが、ここからWi-FiとZ-Waveの電波を出すことで、直接IoT機器との接続ができるようになります。固定回線をauひかり以外に広げただけでなく、そもそも固定回線を引いていない家庭でも利用できるようになったというわけです。 ▲発売済みの「Qua Station」も、au HOMEのハブになる デバイスには、新たに家電をコントロールするための「赤外線リモコン01」や、電力の使用量を測定する「スマートプラグ01」が追加されます。これまで提供していた開閉センサーやマルチセンサーに加えて、全7種類のデバイスを一括で管理可能。 たとえば、外出先から部屋の温度を調べて、寒かったらエアコンをあらかじめつけておくといったことや、ドアの開閉センサーが反応したのでネットワークカメラで子どもと会話するといったことが可能になります。 ▲赤外線リモコンも登場 ▲電気使用量を確認できる「スマートプラグ01」 こういった利用用途に対してIoTというと大げさに聞こえてしまうかもしれませんが、「ちょっと心地いい暮らしを実現する」(執行役員常務 商品・CS統括本部長 山本泰英氏)というのが、au HOMEのコンセプト。一気に生活が豊かになるのではなく、これまで届かなかったかゆいところに、手が届くようになるぐらいのイメージで捉えておいた方がいいかもしれません。 訪問設置サポートも用意しており、年度内はキャンペーンで1回5000円で利用できるため、難しいことを考えずに、気軽に始められるのもメリットといえそうです。 ▲「ちょっと心地いい暮らし」を掲げるau HOME さらに、これまではスマホのアプリで管理していたau HOMEですが、Actions on Googleに対応し、Google Homeやスマホの音声操作でも利用できるようになります。先に挙げたような赤外線リモコンを使った家電の操作は、家の中での方が、利用頻度は高いかもしれません。そのようなときに、スマホを使う必要なく、声でサッと操作できるのはメリット。Google Homeに対応した価値は、ここにあります。 ▲Actions on GoogleでGoogle Homeとも接続可能になる ▲キッチンやリビングで、ハンズフリーの家電操作が実現 デバイスごとに操作体系やアプリがバラバラだと、その都度面倒な設定が必要になりますが、au HOMEの場合、au HOME上のプラットフォームで一元管理できるので、機器の追加も簡単。しかも、スマホのアプリだけでなく、GoogleアシスタントやGoogle Homeを使って操作まで行えるとなると、回線が限定されていた過去のau HOMEより、俄然魅力的に思えてきました。 とはいえ、"ちょっと心地いい"を実現するための料金が、あまり心地よくないのも事実です。au HOMEを利用するには、デバイス代のほかに、月額490円の利用料金がかかってしまいます。これは、7月にサービスインしたころから変わっていません。サーバー側で各種データを管理する必要があるため、月額料金がかかるのは仕方がないところではありますが、490円あれば、雑誌が読み放題になったり、動画が見放題になったりするサービスに加入できるため、それらと比べたときに、「安い」とはいえません。 ▲490円の月額料金は変わらず むしろ現状だと、なぜ月額料金がかかるのかと疑問視する向きもあり、実際に、記者会見では、これに関する質問が多く出ていました。確かに、たとえば赤外線リモコンを使うだけであれば、IFTTT経由でGoogle Homeに対応する「Nature Remo」を買ってくれば、月額料金は必要ありません。センサーも、iPhoneのHomekitに対応したものなどを使えば、支払いは1回で終わります。 490円の料金については、以前、本連載の記事で述べたことの繰り返しになってしまいますが、もっとも敷居を下げてほしいというのが率直な思いです。Google Homeを買ったときに、毎月割のような形で割引を出し、負担感を軽減するなど、何らかの対応がほしいと感じました。

1990年の今日、スーパーファミコンが発売されました:今日は何の日?

おもなできごと ・1969年11月21日、パケット通信ネットワークARPANETの恒久的リンクが確立 ・1990年11月21日、任天堂が家庭用ゲーム機「スーパーファミコン」を発売 ・2011年11月21日、講談社がスティーブ・ジョブズ氏公認の伝記「スティーブ・ジョブズ」の上下巻を発売 ・2015年11月21日、ソニーがバンドにも電子ペーパーを採用した腕時計「FES Watch」の店頭販売開始 ・2015年11月21日、「ガールズ&パンツァー 劇場版」が封切

Galaxy Note8は今年のベストデバイスといっても過言ではない:週刊モバイル通信 石野純也

iPhone X発売のバタバタに巻き込まれてしまい、すっかりレビューが遅くなってしまいましたが、10月26日に発売された「Galaxy Note8」を購入しました。ドコモ版です。発売から2週間とちょっと経ちましたが、使い勝手が非常によく、今年のベストデバイスと呼んでも過言ではないほど、満足しています。今回は、その使用感をお届けします。 ▲発売日に買った「Galaxy Note8」 日本では紆余曲折あり、2014年に発売された「GALAXY Note Edge」以来(しかも当時はまだGALAXYが全部大文字でした)、約3年ぶりになってしまったGalaxy Noteシリーズ。その間、XperiaやSシリーズのGalaxyなど、さまざまなスマホをメインで使ってきましたが、やはりSペンがないのが、どうしても不便だと感じていました。 ▲発火、回収騒動で欠番となってしまった「Galaxy Note 7」 ▲日本での発売が見送られてしまった「Galaxy Note 5」 スマホのフリック入力は確かに今のホームファクターを考えると合理的で、オッサンになってしまった筆者でも、それなりにスピーディには打てますが、やはり手書きの方がメモを取るなら速いのも事実。所作として、仕事をしてる感も出るため、立ちながら人の話を聞く囲み取材や展示会取材などに重宝します。Galaxy Note8に切り替えてから、さっそくSペンは大活躍しています。 ▲Sペン内蔵は最大の特徴で、この端末を買った理由の1つ ▲急いで書いているため字が汚いが、囲み取材のメモもしっかり残せた ▲ペンを抜くとショートカットが出るのも便利。筆者はGalaxy Noteの代わりに、Sノートを割り当てた ただ、Note不在の3年の間に、iPad ProでApple Pencilを使うようになったためか、ペンで文字を素早く書いたときのレイテンシーが、やや気になるようになってしまいました。特に、字画の多い漢字を書くときに、線の追従がわずかに遅れてしまうため、速く書こうとすると字が崩れてしまう印象があります。わずかといっても、秒数にすると0.1秒あるかないかといったところですが、ペンと紙を再現するには、それでも致命的。 実際、240fpsのスローモーション動画で字を書く様子を撮ってみると、ペンの動いたあと、線がそれを追いかけていることが分かります。確かにGALAXY Note Edgeのころより、スペックは上がっており、スキャンレートが360Hzになったり、検知できる筆圧が4096段階になったりと、書き味はよくなっていますが、もう一段の進化がほしいところです。ただ、それでも、ペンを内蔵したスマホは、Galaxy Noteシリーズ以外にはなく、ほかには代えがたい存在。だからこそ、書き味の進化については、今後のアップデートに期待したいところです。 ▲「石野純也」の「純」を書くあたりからスローモーションになるが、よく見ると、線の追従がワンテンポ遅れている。動画はiPhoneの240fpsモードで撮影 ▲iPad Pro 10.5のApple Pencilは、ほぼ完ぺきに線が追従する もちろん、Sペンだけが、Galaxy Note8の売りではありません。当初の期待以上だったのが、カメラ機能。Note 8の前は、Galaxy S8+を使っていたので、メインのセンサーやレンズは変わっていないことになります。これに対し、Galaxy Note8はデュアルカメラになっていますが、「望遠がついてデュアルになっただけでしょ」とタカをくくっていました。トレンドになっている2眼に、とりあえずキャッチアップしたように思えたからです。 ▲期待以上によかったデュアルカメラ ところが、実際に撮ってみると、2倍ズームのありがたみがよく分かります。たとえば、料理を撮るときも、ちょっと離れたところから撮影できるため、影が映りません。街中の写真を撮ったりするときも、わざわざ被写体に近づく必要がなくなり、撮影がしやすくなりました。それ以上に、「ライブフォーカス」の性能の高さに関心しています。 ▲近づくと影ができてしまう料理を撮るときに便利 ▲横断歩道を渡らなくても、建物に寄った撮影ができた ライブフォーカスとは、いわゆる背景ボケを作る機能で、デュアルカメラ搭載スマホでは一般的ともいえます。このボケがキレイに出ていて、人物を撮ったときに、境界をうまく見分けてくれます。さすがに一眼レフで絞って撮ったときのような自然さまではいきませんが、かなりの精度であることは確かです。また、広角側で撮った写真が同時に保存されているのも、おもしろい機能といえるでしょう。後から見返したときに、人物の周りには、こんなものがあったのかという発見もあります。 ライブフォーカスで撮った人物。背景がキレイにボケており、かなり深度を正確に捉えていることが分かる ▲撮ったあとで、ギャラリーから広角と望遠を切り替えることが可能 iPhone Xにも採用され、ハイエンドスマホでは当たり前の存在になりつつある縦長ディスプレイも、使い勝手がいいと感じています。当初はGalaxy S8+より大きな6.3インチになったため、片手使いは難しいかと思っていましたが、頑張れば(笑)なんとか操作はできます。右手で持ったときの対角にあたる、左上をタッチするのは難しいものの、画面右上から下にかけてはきちんと触ることができるため、意外と両手で持つシーンは多くありません。 ▲持ち方を変えれば、なんとか片手でも操作はできる もうちょっと下に配置してほしいと思いつつも、指紋センサーはギリギリ片手持ちでも指が届くため、通知はこれを使って表示させています。なお、指紋センサーを使って通知領域をスライドさせる機能は初期設定だとオフになっているので、設定を変更してオンにしておくといいでしょう。どうしても片手で操作できないというときは、片手モードを使ってみるという手もあります。 ▲指紋センサーをスライドさせて、通知を下げることが可能 ▲指紋センサーのジェスチャーをオンにしておこう ディスプレイが18.5:9になっているため、2つのアプリを同時に開いたときの収まりもよく、マルチタスクが捗ります。よく使うのは、動画を見ながらTwitterをしたり、Gmailを見ながらカレンダーでスケジュールを確認したりといったシーンですが、こうしたアプリのセットを登録しておける「アプリペア」という機能も便利。2画面表示の使い勝手まで、しっかり考えられている点は評価できます。 ▲画面を2分割した際に見やすいのはメリット ▲2つのアプリを同時に起動できる「アプリペア」 Galaxy S8やS8+にも搭載されているため、改めて触れるまでもないかもしれませんが、時計や通知を常時表示する「Always on Display」や、高速ワイヤレス充電に対応しているのも、便利だと感じるポイント。ワイヤレス充電に関してはiPhoneも対応してきましたが、やはり充電のスピードに関しては、先行して搭載してきたGalaxyに一日の長があります。 ▲「Always on Display」や「急速ワイヤレス充電」も便利 もちろん、パフォーマンスの高さも折り紙つきで、サクサクと動いて快適。RAMが6GBと大容量なためもあってか、アプリの切り替えもスムーズ。下り最大788MbpsのLTE Advancedだけでなく、4つの周波数を束ねて利用する4CAにも対応しているため、通信も快適です。一部、地下鉄の駅間は、構造上、ネットワークのキャパシティを上げにくいためか、時間帯によって通信不能になるほど速度が遅くなることはありますが、こうした例外を除くと、ダウンロードもあっという間に終わります。なお、4CA対応なのは、GalaxyシリーズだとNote8だけ。夏モデルのGalaxy S8やS8+はアップデートでも非対応なため、この点は前モデルに比べた優位性といえます。 発表会では、熱いファンの声が紹介されるなど、発売が待ち望まれていたGalaxy Note8。特に日本では、発火、回収になった「Galaxy Note 7」だけでなく、「Galaxy Note 5」の投入も見送られていたため、海外以上に待ちに待った感が強い端末です。そして、実際、2週間ちょっと使ってみると、それだけ待ったかいがあった端末だといえます。Sペンの反応速度をもう少し上げてほしかったり、Android 8.0に早く対応してほしかったり、改善要望がないわけではありませんが、現時点で最高の端末の1台と太鼓判は押せます。筆者も、買ってよかったと満足しています。