高級キーボードの新潮流「薄型メカキー」にロジクールが参入。BT+独自無線版G913と有線版G813

PC周辺機器大手のロジクールが、ゲーミングブランド『ロジクールG』シリーズの新製品として、テンキー付きのメカニカルキーボード2モデルを発表しました。 モデル構成は、Bluetooth 5.0と独自無線に対応したワイヤレスモデル『ロジクール G913 ワイヤレス RGB メカニカル ゲーミング キーボード』(G913)と、USB接続の有線モデル『ロジクール G813 RGB メカニカル ゲーミング キーボード』(G813)の2種。さらにそれぞれの製品でキースイッチ別に3種類が用意されるため、2機種6モデルの構成となります(詳細は後述)。 発売予定は2機種とも8月29日。参考価格はG913が3万250円(税別)、G813が2万3250円(同)。なお、キースイッチの違いによる価格差はありません。 基本性能における最大の特徴は、高級キーボードや自作キーボードでのトレンドとなっている、Kailhブランドのロープロファイル(薄型)キースイッチを採用した点。従来のロジクール製メカニカルキーボードは、独自開発の『Romer-G』スイッチやCherry MXブランドのスイッチを採用してきたため、ある意味では新路線とも呼べそうです。 そして搭載されるキースイッチは、先述のようにKailhブランド(Kaihua Electronics製)3種類からの選択式。選択可能な種類は以下となります。 クリック感がなく、比較的軽めのタッチで入力が可能な『リニア』(赤軸) 適度なクイック感が特徴の『タクタイル』(茶軸) クリック感と音の強い『クリッキー』(白軸) もちろん3種類とも、いわゆる『Kailhロープロファイル』キースイッチを採用します。このスイッチは、一般的なキースイッチに比べてアクチュエーションポイント(オンとして感知される点)が公称で1.5mmと短い点が特徴。 この点から、ユーザーが反応してからキーがオンになるまでの時間を短くできるため、ゲーム向けとしては都合が良く、現在ゲーマー向けモデルを中心に採用例がじょじょに増えているキースイッチです。 なおロジクールが(ゲーマー向けモデルのみならず)Kailhスイッチを採用するのは初めてですが、「耐久性に関しては十分な評価を行ない、ロジクール側の基準も十分満たしている」とのアピールがなされています。 加えてスイッチ自体も一般的なモデルに比べて薄いため、キーボード自体の薄型化が図れる点も特徴。G913とG813はこの特徴を活かし、高級キーボードとしての剛性やRGB LEDによるライティングといった機能をキープしつつ、本体の厚さを22mmにまでスリム化しています。 なお、開催された記者向け発表会では「なぜ最近出荷が始まったCherry MXロープロファイルスイッチではないのか?」という質問も出ましたが、これに関しては「今回の選択においては、Kailh製は3種類のバリエーションが提供できる、という点が大きかった。Cherry MXロープロの場合、リニアタイプ(赤軸)の1種類しかないため」との回答がなされています。 薄型の本体ながら高い剛性という点に貢献しているのが、キートップ面と左右側面の外装素材に、5052アルミニウム合金を採用した点。本体カラーはカーボンブラックを採用しますが、質感は金属の光沢を活かしたものとなっており、キーのライティングも引き立てる効果も持ちます。 もう一つの注目点が、G913ではロジクールのゲーム向けキーボードとして珍しいワイヤレス接続であり、さらに独自無線とBluetooth 5.0、さらには有線という3モードでの使用ができるという点。これにより、幅広い使い方が可能になっています。 なお、バッテリーは内蔵(基本的に交換不可)タイプの充電式。公称のバッテリー駆動時間は「LEDライティングをフルに光らせた状態で連続30時間」とされています。充電はUSBケーブル(本体側はマイクロUSB)経由で、公称充電時間は3時間です。 ▲BluetoothとLIGHTSPEEDの切り替えは上(奥)側の専用ボタンで操作。簡易的なライティング切り替えやゲームモード(Windowsキーなど無効化)用ボタンも用意されています 独自無線としては、ロジクールGシリーズのワイヤレスマウスや、既製品『G613』でも採用された低遅延方式『LIGHTSPEED』を採用。ホスト(PC)側にはUSB Type-A接続のレシーバーを用意し、遅延低減のため1対1で接続。ワイヤレス接続ながら、プロゲーマーの要求に応えるレスポンスをアピールします。 そしてロジクールGシリーズの高級機だけあり、RGBフルカラーライティングシステム『LIGHTSYNC RGB』も搭載。制御用のアプリ『Logicool G HUB』を経由して、実行中のゲームタイトルやゲーム内の操作、画面上の色に合わせた発光アニメパターンなどを設定できます。もちろん、ハードウェア的には約1680万色に対応します。 合わせてハードウェアマクロ機能も、実行用のマクロキーを搭載する形で対応。最も左に位置する『G1』から『G5』のキーに対してLogicool G HUBから設定することで、アプリごとにカスタマイズ可能なマクロを実行可能です。 さらに特殊ボタンとして、オンボードマクロのプロファイル切り替え用やメディアコントロール用、そして右上には音量などを操作可能な1基のホイールも搭載。普段使いのキーボードとしても便利な仕様です。 ▲G813のUSBケーブルは二股仕様。1本は本体奥側(上部)に設けられたUSB端子へのパススルーケーブルです なおG813は、USB 2.0による有線接続仕様というほかは、G913と同一機能を持つように仕上げられた製品。ケーブルが直付けタイプというのが気になりましたが(ここは他の記者からも疑問の声が上がっていました)、G913に比べて一気に7000円安価となるのは見逃せないポイントです。 このようにG913とG813は、ゲーマー向けキーボードの新潮流となりつつある、薄型(ロープロ)メカキーをロジクール製品として初採用した意欲的なモデル。 またスイッチがKailhブランドであるという点は、昨今のキーボードのトレンドを知っている方、とくに自作キーボード沼(または温泉)に近しい方には、少なからず驚きとなるはずです(筆者も思わず「ロジがKailhを!?」と叫びそうになりました)。 機能や使われている素材もあってかゲーム向けキーボードとしても高価ではありますが、2019年後半におけるゲーミングキーボードの"大物"として、間違いなく注目の一品となるはずです。