Facebookが暗号通貨「Libra」発表。MasterCard/PayPal/Uberなど参画し「数十億の決済インフラ」目指す

Facebookは19日、長らく噂されていた仮想通貨(暗号資産)プラットフォーム「Libra」を正式発表しました。子会社Calibra社による最初のプロダクトとして、スマホで使えるデジタルウォレットの提供を2020年に開始します。 Calibiraが目指すのは、未だに世界人口の半数近くを占めるという、銀行口座を保有していない成人に金融サービスを用意すること。金融インフラが満足に整っていない国では、安全ではない小切手の支払いによって家賃を失ったり、海外送金サービスに膨大な手数料を支払っている移民が現実に存在します。Calibraはブロックチェーンによる低コストな金融インフラによって「数十億の人々の課題解決」を目標とします。 仮想通貨Libraの基礎となるブロックチェーン技術(Libra Blockchain)はFacebookから独立した管理団体「Libra Association」により開発されます。スイスのジュネーブに本拠を置く同団体は、MasterCard、PayPal、Visa、eBay、Vodafone Group、Spotify、Uber、Lyft、そしてもちろんFacebookなど、28の共同創立者を擁しています。 Libraが他の仮想通貨と異なるのは、資産による裏付けがあること。協会が用意した準備金「Libra Reserve」が、その価値の担保となります。 Calibiraでは2020年にMessenger、WhatsApp、専用アプリで利用できるデジタルウォレットを提供予定。まずは送金機能に対応しますが、将来的にはオンライン決済やコード決済を提供。途上国の人々がアプリを利用したり、飲み物を買ったり、バスに乗車したりできるような新たな決済プラットフォームへの展開も視野に入れています。 なお、Calibraのシステムでは、セキュリティを担保するため、銀行やクレジットカードと同じ認証・詐欺防止プロセスを採用し、自動モニタリングシステムも導入。アカウント情報や金融情報を同意なしに(Facebookを含む)第三者に提供しないなど、プライバシー保護の重視も謳っています。 Libra発表から最初の数ヶ月で、Libra Associationは規制当局や政策立案者からのフィードバックを求める予定です。 さらに、Libraブロックチェーンの開発者からサービス企業、消費者にいたるまでより多くの開発メンバーを募ります。Calibraの責任者であるDavid Marcus氏は米Engadgetの取材に対し「(Calibra自体は非営利のプラットフォームだが)営利目的の企業がCalibraプラットフォーム上を活用したサービスを構築できるようにする」と語っています。 FacebookがLibraを主導することは、同社の成長にもつながるでしょう。一方、大規模な情報漏洩事故が多く、機密情報を扱いを疑問視されているFacebookにとっては、Calibraで多数の決済情報を非公開かつ安全に担保できるかどうかは、企業としての信頼性を問われる試金石となりそうです。 「Libra」発表当初のLibra Association参画団体は以下の通りです。 決済: Mastercard、PayPal、PayU (Naspers' fintech arm)、Stripe、Visa テクノロジーとマーケットプレイス: Booking Holdings、eBay、 Facebook/Calibra、Farfetch、Lyft、Mercado Pago、Spotify、 Uber Technologies 通信: Iliad、Vodafone Group ブロックチェーン: Anchorage、Bison Trails、Coinbase、Xapo Holdings ベンチャーキャピタル: Andreessen Horowitz、Breakthrough Initiatives、Ribbit Capital、Thrive Capital、Union Square Ventures NPO/多国間団体/学術機関: Creative Destruction Lab、Kiva、Mercy Corps、Women's World Banking