虹彩認証に自動運転。コンパクトカー「MINI」は走るスマホになる:山根博士のスマホよもやま話

ダッシュボードは大型ディスプレイ、ドアノブは指紋認証センサーを内蔵し、車内は5G回線に繋がるWi-Fiスポットとなっている──。数年後の自動車は、まるで走る大型スマートフォンのようになっているでしょう。 海外のメジャーな展示会に行くと、かつては高速かつ快適に走行できることが売りだったクルマが、今やIT製品へと進化している様子が伺えます。 コンパクトサイズで人気のMINI(ミニ)も、2016年に「次の100年のMINI」という大胆なコンセプトカー、「Vision Next 100 Concept」を発表しました。エンジンは電気モーターに代わり、ドアは外側がディスプレイに、前方は透明パネルを採用するなど大胆な仕上げです。発表時はCGでしたが、その実物大モデルが4月にミラノで開催されたミラノ・デザインウィークで展示されていました。 Vision Next 100 Conceptは自動運転に対応し、都市でのカーシェアリング利用も考えられた未来の車です。そのコンセプトは動画として公開されていますが、その操作・動作は今のスマートフォンのようです。車に近づけばドアの手前に自分の名前が照らし出されます。顔認証で搭乗者を認識するわけです。 ドアを開けて運転席に座れば、ダッシュボード上に円筒形のコントローラー「Cooperize」が見えます。これを指先でタッチすると、虹彩認証で本人を確認しエンジンがかかります。スマートフォンのロック解除と同じように、顔を向けるだけでエンジンをかけることができるわけです。 小型車のMINIですが電気駆動のためダッシュボード下の空間は広く、通常は自動運転を行うのでハンドルを握る必要はありません。しかし時には自分で運転をしたくなるもの。その時はハンドルが運転席の左または右へ動き、どちらのポジションからもステアリングコントロールを行うことができます。このあたりも右手、左手、どちらでも使えるUIのスマートフォンと変わらない操作性です。 Vision Next 100 Conceptは2年前に発表されましたが、2018年の今になってみると、もっと新しい機能が搭載されるであろうことが予想されます。2016年当時は虹彩認証のセキュリティーが最も高かったのでしょうが、今ならば顔認証もかなり高い精度を持っています。ということは車に近づくだけで、車内のカメラが遠くから本人認証を行うこともできるでしょう。 また音声AIシステムも英語であれば現時点で十分実用的なものになっています。車内にはダッシュボードにモニターはあるものの、基本操作はマイクで行い、その返答もスピーカーから音声で流れてくるようになるでしょうね。 2020年の東京オリンピックのころには5Gの商用化が世界各国で始まり、自動運転対応の自動車も一部の都市で走り始めている予定です。MINIのコンセプトカーもその時点で実現可能な技術を搭載して、早い時期に商用化されているでしょう。その時はこのVision Next 100 Conceptのような、未来感あふれるこれまでの自動車にはないデザインを採用してほしいものです。