ライドシェア解禁に『反対』、ソフトバンクG株主総会前でタクシー労組ら

本日(6月19日)開かれたソフトバンクグループの株主総会。会場前では、タクシー運転手らで構成される労働組合がライドシェアの解禁に『反対』を表明するビラを配布していました。 日本では現在、ライドシェアのような一般人による有償タクシー業務は「白タク」として禁止されています。一方、政府はドライバー不足が深刻な過疎地では例外的にこれを認める方針を示し、タクシー業界が反発しています。 また同団体は、ライドシェアを認めない日本政府に対する孫正義氏(ソフトバンクグループ社長)の発言『こんな馬鹿な国がいまだにあるということが信じられない。ライドシェアで交通の混雑が減り、事故が減り、需要と供給をマッチできるということが米国や中国・欧州などいろいろな国で起きている』を挙げ、ソフトバンクが日本におけるライドシェアの解禁に向け圧力をかけていると主張します。 加えて、2018年に中国のライドシェアDiDiの車内で女性客が運転手に刺殺された事件を挙げ、『(ライドシェアは)タクシーで義務付けられている労働時間管理や飲酒チェックもなく、運転手の身元もわからない。事故時の保証も個人任せ』として危険性が高いと主張。さらに、ライドシェアの運転手は会社員ではなく個人事業主となることから、保護や権利のない劣悪な労働環境を生み出すと指摘します。 こうしたタクシー業界の反発は、ライドシェアの普及によって雇用が奪われる危機感もあり世界中で多発。ニューヨークでは新規営業免許の発行を1年間停止するなど、一定の規制も進んでいます。一方、ライドシェアなら運転手の評価を事前に確認できるうえ、運賃も乗車前に確定するなど"ボッタクリ"を防ぐことも可能。加えて、一般ドライバーが空き時間にタクシー業務で稼げるなど、多様な働き方を後押しする側面もあります。 ▲ソフトバンクGはSVFを通じ海外の主要ライドシェア事業者4社の筆頭株主となっている このように槍玉に上がったソフトバンクグループですが、日本では国内の法制度にのっとり、既存のタクシー業界と共存するサービスも展開しています。傘下の「DiDiモビリティジャパン」が提供する「DiDi」は、現行のタクシーにライドシェアの利便性を組み合わせたサービス。Uberのようにスマホアプリでタクシーを呼び目的地を指定。支払いも乗車前に確定できます。中国で広く普及しているDiDiアプリをそのまま日本でも使えることから、タクシー事業者向けには中国人訪日客の獲得につながると訴求します。 ライドシェアは「自動運転実用化の前段階」 なお株主総会で孫正義社長はビラ配りには一切触れず、『ライドシェアは自動運転の実用化に向けた前段階』との認識を示した上で、SFVを通じて世界のライドシェア市場のシェア9割を握る4社「Uber」「DiDi」「Grab」「OLA」の全ての筆頭株主であることを重ねて強調。モビリティ分野における存在感をアピールしました。 関連 ・IT企業が相次ぎ参入するタクシー配車アプリは日本の交通課題を解決できるか:佐野正弘のITトレンドウォッチ