「メルペイあと払い」始動──上限5万円、オンラインで簡単審査(鈴木淳也)

メルペイは4月23日、オンライン上で本人確認が完了する「アプリでかんたん本人確認」と、メルカリならびにメルペイによる実店舗における商品購入代金を後払い処理にできる「メルペイあと払い」の2つのサービスを開始する。 ▲メルペイは「アプリでかんたん本人確認」と「メルペイあと払い」を開始 メルカリは2017年より同アプリ内で「メルカリ月イチ払い」を提供しているが、今回のサービス拡大により、その対象範囲が実店舗決済を含むメルペイのサービスまでとなり、それに合わせて名称変更、リブランディングが行われることになる。 また本人確認手段として「eKYC(Electronic Know Your Customer)」を採用することで、オンライン上の手続きのみでこの「メルペイあと払い」をすぐに利用開始できるようになるわけだ。 これまでは本人確認のために書類のアップロードと並行して自宅で転送不要郵便を受け取る必要があったが、2018年11月の犯罪収益移転防止法の規制緩和により、eKYCではオンライン上のやり取りのみで本人確認が可能となる。手持ちのスマートフォンのアプリで運転免許証などを撮影し、名前や住所など必要事項を入力すれば最短数時間ほど(かかる時間はタイミング次第)で審査が完了する。 支払いは翌月でOK、手数料は300円 なお、「メルカリ月イチ払い」が試験提供されていた段階では、翌月払いにまわすことができる1月あたりの上限金額が一律で5万円に設定されていたが、「メルペイあと払い」では5万円を上限にオンライン本人確認ならびにメルカリでの利用実績等を考慮して上限金額が設定される。 対象範囲も18歳以上となっており、18歳ならびに19歳の利用者については親の同意を得たうえで1万円が上限となる。利用条件は今回の本人確認サービスで本人確認済みであること、または支払い用銀行口座を登録済みのいずれかとなる。 もし口座登録が行われていない場合は、コンビニやATM、口座振替、あるいはキャンペーンなどで取得したポイント割り当てで支払いが可能。支払期間は商品購入した翌月1日から末日までとなる。サービス利用手数料は月あたりの決済回数によらず、支払時に300円固定。ただしオープニングキャンペーンとしてサービス開始日となる4月23日から5月31日までの利用分については手数料が無料となる。 ちょっとした機能だが、買い物の潜在需要を喚起 最大5万円という金額は、人によってはそこまで大きくないと思うかもしれない。だが「いますぐ買いたいものがあるけれど、チャージしないと残高が足りない」といったときに、素早く買い物できるのは便利だ。メルカリのアプリはいざ知らず、実店舗でもせっかく現金を使わずに会計しようと思ったのに残高不足で支払えないというのは非常に困る。 今回のサービスでは、利用時の支払い方法を「メルペイあと払い」モードに変更するだけで利用できるため、そうした心配は無用。都度チャージが面倒だという人も、最大5万円までなら300円の手数料だけで翌月のまとめ払いに変更できるのは便利だ。もし使いすぎが気になるというのであれば、利用限度額をアプリ上で設定できるので、利用状況を鑑みつつ自分で調整もできる。 ▲あと払いの上限は5万円だが、自身でアプリを使って上限を変更可能。利用状況は逐次確認できる QRコードを使ったアプリ決済のサービスは数多くリリースされているが、クレジットカードの登録や付随する仕組みなしでポストペイの機能のみを利用できるサービスは珍しく、この点でメルペイは非常にユニークだ。 実店舗決済でたとえQRコードが利用できなくてもiDとしても利用できるため、使える場所の幅が広い。仮にメルカリやメルペイをあまり利用しないユーザーであっても、本人確認後に「メルペイあと払い」を有効にしておくだけでとっさにサービスが利用できるので、いざというときの保険としても機能する。 また「メルペイあと払い」でなくとも、普段からメルカリを利用しているユーザーであればフリマ取引での残高を利用してそのまま決済に割り当てられるわけだ。華々しいキャンペーンを次々と打ち出すライバルらに比べて派手さは少ないものの、クレジットカード利用にあまり積極的ではない若年層を取り込む施策と合わせ、メルペイはこうした裾野需要をうまく捕まえていると分析する。 メルペイは4月17日にサービス開始から63日間で100万の登録ユーザーを突破したことを発表した。業界全体でみれば比較的早いペースであり、QRコード・コード決済やキャッシュレスブームという追い風はあるものの、メルカリという巨大市場を抱えていることからすでに強固なユーザー基盤を備えているのだとも考えられる。メルペイによれば、実際に登録ユーザーの多くはメルカリ利用者とのことで、コンバージョン率も非常に高い。 現在、同社はメルカリユーザーが多い地域や利用者の多いと予想される店舗を中心に加盟店開拓やキャンペーンを展開しつつあり、メルカリ需要をうまく実店舗の領域まで拡大しようとしている。 一方で、前述のような直接のメルカリユーザーではない層でも利用してみたくなるような"仕掛け"を用意しており、既存大手各社とは異なる領域からスマートフォンを使った決済サービスの世界を切り開きつつある。 ▲サービス開始から約2ヶ月で100万登録ユーザーを突破したメルペイ