ソニー最新ウォークマンは「NW-A105 / ZX507」、ヘッドフォンは「WH-H910N」に注目

ドイツ・ベルリンで開催されたIFA 2019でソニーは最新のオーディオ製品を発表。最上位の「Signatureシリーズ」は 以前の記事でお伝えしましたが、新型ウォークマンの 「Aシリーズ『NW-A105』」と「ZXシリーズ『NW-ZX507』」、そして新型ワイヤレスヘッドフォンの「H910N」について、特徴を本田雅一さんに解説していただきます。 下記、本田さんのコメントです。 ウォークマンシリーズ 普及型の「A」、高級モデルの「ZX」双方ともに最新モデルが登場したが、一番の評価ポイントは「Androidベース」になったこと。Googleの互換性テストも通過し、きちんとGoogle Playが利用できるため、あまた存在するストリーミングサービスの利用が可能になった。 ONKYOやFiioをはじめとして、Androidを使った高音質DAP(Digital Audio Player)が存在しないわけではないが、実はAndroidを使ってしまうと開発やテストに手間(=コスト)がかかるだけではなく、Android自身が音質重視で設計されていないため、システム内蔵のオーディオ再生コンポーネント(ソフトウェアミキサーなど)を経由することで音質が落ちるという問題があった。 ▲上からNW-A105、​​​​NW-ZX507。いずれもAndroidベースになった 多くの場合、専用再生アプリを使う際に標準のミキサーをバイパスするなどして解決するのだが、ウォークマンをはじめ、Astel&Kernなどの高級DAPメーカーの多くは独自OS(あるいはAndroidの独自カスタマイズ)として、音質を自社でコントロールすることを選んできた。 と、前段が長くなったが、ソニーも一時はAndroidをウォークマンに使っていたが、その後は独自OSに回帰。音質面や機能面、操作性などを作り込んできたが、多種多様な音楽ストリーミングサービスに対応できないジレンマも抱え続けてきた。 というわけで、専用アプリなら従来通り、汎用のAndroidアプリも使えるようになった新しいウォークマンは、現時点でのもっともエンドユーザーニーズに近い現実解だ。 名機の誉れ高いZX300とほぼ同重量、同サイズのNW-ZX500は、ZX300を置き換える存在。音質傾向は似ており、Androidとなったこと以外に大きな体験の違いはない。それでは他のAndroid採用DAPと同じじゃないかと思うかもしれないが、実は専用アプリを使わない場合でもオーディオドライバにはDSEE EXなどソニーの高音質化機能が組み込まれており、専用アプリを使わない場合でもある程度の恩恵を受けることが可能だ。 しかし今回、あえて僕が推したいのはNW-A105。欧州型番のため、日本では変わるかもしれないため「A100」と表現するが、この製品は従来のミドルレンジモデルNW-A50の後継機ではなく、ちょっと上のモデル。見た目はコンパクトでA50に近いイメージだが、音作りの方向はむしろZXに近い。もちろん、ソニーだけにLDACにも対応しているため、LDAC再生が可能なワイヤレスイヤホンとの組み合わせにも対応可能だ。 価格はZX500の半額以下になるとのこと。Android搭載で気軽に好きなストリーミングサービスを利用できることも含め、注目の新製品である。 ヘッドフォンはX1000シリーズ形無しのH910N ヘッドフォン、イヤフォンにも多くの製品が出ているが、一番に紹介したいのがWH-H910N。ハイレゾワイヤレスコーデックのLDACに対応するBluetoothヘッドフォンだが、最上位モデルのWH-X1000M3に匹敵する高性能・高機能ノイズキャンセリングヘッドフォンでありながら、軽量かつファッショナブルな多色展開で価格が安い。 ▲H910N ノイズキャンセリング機能なしで、オンイヤータイプのWH-H810も、H910Nと同じ新開発25ミリドライバーを搭載。コンパクトながら高音質なBluetoothヘッドフォンという位置づけだが、オーバーイヤー型のH910Nがさまざまな面で大幅に改良していることもあり「今年選ぶならH910Nしかなかろう」と思います。 正確に言うならば、最上位モデルとしてのWH-X1000M3の地位は不変です。しかし、H910NはX1000M3の持つエッセンスを引き継ぎながら、"小型"、"軽量"を実現。音質面でも低域の表現力を除けば、かなりイケてる製品に仕上がっているからです。 H910Nの251グラムという数字は、ノイズキャンセリング機能付きオーバーイヤー型ヘッドフォンでは最軽量クラスですが、実はバッテリ持続時間は延びており、最大35時間という余裕のあるスペック。万一の場合も、10分の充電で2時間半分を充電できます。 軽量コンパクトになった理由は、40ミリ径だったドライバユニットを25ミリに小型化。小型ドライバにすれば再生帯域は狭くなる(低音が出しにくくなる)ことは自明ですが、振動板のエッジ部にウレタン素材を使うことで有効ストローク幅が拡がり、再生帯域を拡げられたため、小径ドライバ(小型軽量化がしやすい)を採用できたとのこと。 実際のノイズキャンセリング性能は、同時に発表されているネックバンド型のWI-1000XM2の方がずっと上なのですが、5つのカラーバリエーションでファッショナブルにオーバーイヤー型ヘッドフォンを使いこなしたい向きは店頭で確かめるといいのでは。装着感も良くなってますよ。